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日常と非日常の境目 ネムルバカ

話題作『それでも町は廻っている』で、つかみどころの無い日常と非日常の境目付近をゆらゆらと描いていく…という作風を確立した作者であるが、本作においてもその流れは受け継がれているようだ。

 

同タイプの作品を挙げるなら、例えば黒田硫黄氏の『茄子』や、冬目景氏の『イエスタディを歌って』などが近いかもしれない。深いところをついているようで、実はあまり考えていない…というサブキャラの「伊藤君」の存在が、作者の視点を最もよく表わしていると思う。

 

何かありそうだ、と期待させる青春時代でさえもやはり日常のヒトコマにしか過ぎず、人はただ時間の中を生きていくしかない。期待されるドラマは生まれそうで結局生まれないのである。そこから抜け出そうとするならば、型を求めずにただ自分の心に正直に進むより他はない。